最近テレビなどの広告で、過払金という言葉や、過払金があればお金が返ってくると聞きました。私は、以前、消費者金融数社からお金を借りていましたが、既に完済しました。過払金とは何ですか?私にも過払金はあるのですか?どうやったら過払金が帰ってくるのですか?

過払金とは、簡単に言えば、貸金業者に返し過ぎたお金のことをいいます。

利息制限法では、貸金業者からの借入の約定利率が、同法に規定されている利率(元本10万円未満の場合には年20%、元本が10万円以上100万円未満の場合は年18%、100万円以上の場合は15%)を超える場合には、超える部分については、無効とされています。そして、判例上、利息制限法で決められた利率を超えて支払った利息については、順次、借入金の元本の弁済にあて、その結果、元本が完済されて、さらに元本を超えて支払った金銭については、法律上の原因なく、他人の財貨から利益を得た(不当利得・民法703条)として、その金銭の返還を請求できるとされているのです。

数年前まで、貸金業者の多くは、利息制限法で規定されている利率を超える約定利率で貸し付けをしていました。そのため、利息制限法に従った適法な利率に基づいて引き直し計算をすると過払金が発生することになるのです。おおよそ5~7年、元本と利息を払い続けた方は、元本を完済した状態にある可能性があり、逆に、貸金業者に対して請求できる過払金が発生すると言われています。また、借金を完済した人でも発生する場合があります。ただ、借り入れた金額が少額だったり、返済を滞納していた場合には過払金が発生しない場合もあります。

過払金を取り戻すための手続きは、まず、貸金業者に、あなたの借入れと返済の記録(「取引履歴」といいます。)を開示させ、その記録の内容を基に、利息制限法に従った適法な利率に基づき再計算をします。そして、過払金が発生していれば、貸金業者に返還請求をして交渉をします。貸金業者が、返還請求に応じず、過払い金を返してこない場合は裁判をする場合もあります。

しかしながら、最近では、過払金の返還が原因で、業績が悪くなり、破産や民事再生などの負債の整理をしなければならなくなる貸金業者も見受けられる状況です。貸金業者が負債整理を開始してしまったら、過払金が全額戻ってこない可能性もあります。また、過払金も権利ですから、時効があり、いつまでも戻ってくるわけではありません。

ですので、まずは、早期に弁護士にご相談されることをおすすめします。

一覧へ戻る